『7番セカンド』型人材を採用するために… 面接で見抜く、こんな人には気をつけろ!

野球で言う『7番セカンド』――すなわち“安定感があって大きなミスをしない、しかし一定の水準で着実に活躍してくれる”人材を採ることは、クリニックの経営において組織全体のパフォーマンスを安定させる大きな鍵となります。

院長や管理職のように“スター選手”を期待するのではなく、地味でも堅実に守備・攻撃の要所で役立つ選手を探すイメージです。

しかし、いざ面接で候補者と対峙してどんな質問をすれば『7番セカンド』型人材を見抜けるのでしょうか?

応募者側は面接に向けて“よく見せよう”と準備をしてくるもの。そこで今回は、「7番セカンド」を採用するうえで、面接時に“こんな人には注意”してほしいポイントをまとめました。


目次

0. 7番セカンド型人材とは?

『7番セカンド』型人材とはクリニックのスタンダードポジションにぴったりの人材を野球に例えて表現した言葉です。


クリニックにおける「スタンダードポジション」とは、看護師、医療事務、受付など、求人市場に比較的母数が多く、求職者が見込めるポジションのこと。
これらのポジションでは、ホームランを打つような高度な専門性よりも、日々の業務をミスなくこなし、チームワークを重視できる人材が求められます。
まさに、7番セカンドのように「無難で安定的なパフォーマンスを発揮できる」「チームプレーを大切にし、協調性がある」「社会性をしっかり持っている」人材のことを指します。

『7番セカンド型』人材について詳しく知りたい方はまずこちらの記事をご覧ください。

『7番セカンド』型人材は、決して目立つ存在ではありません。
しかし、着実に業務をこなし、周囲と連携することでクリニック全体の円滑な運営に貢献します。
また、高い社会性を持ち合わせているため、院内での人間関係などのトラブルも少ないのが特徴です。

クリニック経営において、安定した組織運営のためには、4番打者のような突出した能力を持つ人材よりも、着実にチームを支える『7番セカンド』型人材が不可欠と言えるでしょう。

それでは早速、『7番セカンド』型人材を面接で見抜くためのテクニックについて見ていきましょう!

1. 前職や他人の批判が多い人は要注意!

面接中、前職の批判や同僚・上司への不満ばかりを語る人は要注意です。
どんな職場にも問題点はありますが、ネガティブな側面しか語らない方は、ものごとを“他責的”に捉えてしまう可能性が高いといえます。

  • 前職の方針をやたらと批判する
  • 人手不足や残業、休日の少なさを感情的に訴える
  • 上司や同僚への文句が絶えない

これらが面接の場でストレートに飛び出すのは、ビジネスマナーとしても大きな減点材料。
7番セカンドのような“安定感ある存在”は、たとえ不満を抱いていても、相手への配慮や自分がどう見られているかを忘れずに言葉を選ぶものです。


2. 転職回数があまりに多い人は要注意!

「辞めグセ」がないかどうかは、クリニックを安定運営するうえで大きな関心事でしょう。
短期離職を繰り返している人は、「人間関係ですぐトラブルを抱える」「飽きっぽい」「やりたいことがコロコロ変わる」など、長期的な安定には不向きな理由を抱えているかもしれません。

もちろん、何らかの事情(家庭の都合や所属組織の倒産など)で仕方なく転職が重なったケースもあります。
面接では、その“やむを得ない理由”の有無をしっかり確認し、根本的な行動パターンを見極めることが重要です。

自分に落ち度があったと素直に認められる人は、次こそ腰を据えて働いてくれる可能性がありますが、逆に「相手が悪かった」「会社が悪かった」と他責的に終始する場合は要注意です。


3. 協調性を感じられない人は要注意!

7番セカンドに求められるのは、派手さよりもチームの歯車としてきちんと機能することです。クリニックでは院長、看護師、医療事務、受付など、スタッフ同士の連携がスムーズにいかないと患者さんへの対応に支障が出るでしょう。

面接時に見抜きたいのは、「この人は自分のことばかり話していないか?」「周囲の状況を考慮して動けるか?」といった点です。例えば、

  • 「これまでの職場でチームワークを発揮した経験」について聞く
  • 「大変だったけれど、協力して乗り越えたエピソード」を尋ねる

そんな質問を投げかけ、他人との連携や配慮を大切にしてきたかをチェックしましょう。自分の功績ばかりを強調する人は要注意。実績のアピールはもちろん大切ですが、周囲との関係性をまったく意識しない人は、チームワークを乱す恐れがあります。


4. 面接での準備不足が感じられる人

クリニックの採用は比較的“受かりやすい”というイメージを持たれがちですが、最低限のビジネスマナーや事前の情報収集をしない応募者には注意が必要です。具体的には、

  • 志望動機があまりに曖昧
  • 逆質問が一切なく、ただ黙っているだけ
  • 一般的な面接マナー(挨拶、言葉遣い、身だしなみなど)もあやしい

これらの要素が重なる場合、採用後も「基本的な業務ルールを調べず、他人まかせにする」などの姿勢がうかがえます。

危うさが感じられる人・不安定な人は『7番セカンド』型人材とは言えません。
7番セカンドとして安定的・長期的に活躍してもらうには、最低限の礼儀や下準備、学ぶ姿勢が欠かせません。

面接時点の対応で、どこか“一般常識に関わる疑問”が出るようなら、慎重に判断しましょう。


5. 「操作的な受け答え」をしすぎる人は要注意!

面接の場では、誰しも少しは“良く見せよう”とするものですが、あまりに「取り繕っている」印象が強いと要注意です。たとえば、

  • やたらと自分の辛さや大変さばかりを“わかってほしい”と訴える
  • 相手を褒めまくる一方で具体性がまったくない
  • こちらの質問に答えず、自分のストーリーを押し出す

表面的には“いい人”かもしれませんが、実際に入職すると「周囲を自分の思うように動かそうとする」傾向、つまり操作的な傾向が露呈する可能性があります。

7番セカンドを目指す人は、自分の感情を押しつけるのではなく、冷静に状況を判断しながらチームに溶け込む柔軟性を大切にするもの。
強引な物言いや妙な駆け引きが見える人には警戒が必要です。


まとめ:減点を防ぐ選手こそが「7番セカンド」候補!

飛び抜けた才能を期待せず、むしろ“大きなミス”や“トラブル”を回避してくれるのが、クリニックにおける“7番セカンド”的人材です。
面接では「相手の加点材料」よりも「減点材料」に注目し、「前職批判の多さ」「協調性の欠如」「転職回数」「準備不足」「操作的な態度」といった危険サインを慎重に見極めましょう。

もちろん、必ずしも「危険サイン=完全アウト」ではありませんが、複数のサインが重なるなら要注意。
7番セカンドとして堅実に働き、クリニック全体を安定して支えてくれる人は、過剰な自己主張よりも“社会性”を大切にするはずです。

院長先生あるいは面接担当者は、その視点をしっかり持ち、日々の採用活動にあたってみてください。結果としてチーム全体の雰囲気がよくなり、患者さんへのサービスも向上し、院長を含む主要スタッフの負担軽減にも大きく寄与するでしょう。

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